水上愛美、神農理恵
Heptapod Solresol Ruins | ヘプタポッド・ソルレソル・ルーインズ
2022 年3 月5 日( 土)~3 月27 日( 日)13:00 ~ 19:00 定休日 水・木
VOU/ 棒 1F ギャラリー
ーー形式や概念がじつに早々と硬直化するのにたいし、物質的想像力は現在もなお機能する力であり続けている。
( ガストン・バシュラール『水と夢』及川馥訳、2008 年 法政大学出版 p.207)
水上愛美と神農理恵の二人展「Heptapod Solresol Ruins」を京都のVOU/ 棒ギャラリーにて開催いたします。
東京近郊を現在の拠点とする二人の作家の作品を関西圏で展示形式で紹介するのは今回が初めての機会となります。
水上愛美は1992 年生まれ、多摩美術大学油画専攻を卒業。近年は最古の砂漠の砂などを混ぜたサンドペーストを塗り重ね、神話や物語を引用した作品を描いています。制作当初から計算されたいくつものレイヤーが存在し、中層の絵を敢えて塗り潰して完全に不可視にすることで地層のような時間の蓄積が見える絵画は、不可視な過去未来も同時に存在するという多次元世界への作家の関心を表しています。平面作家の登竜門とされるVOCAに今年入選する他、海外での展覧会にも参加するなど近年注目を浴びる作家の一人です。
神農理恵は1994 年生まれ、武蔵野美術大学院造形研究科彫刻コースを修了。コンクリートブロックや鉄、木材など硬質な素材を巧みに扱いながらパステルカラーの着彩や樹脂などの柔らかな質感によって重みを感じさせないイメージを立ち上がらせます。フリーハンドの溶接跡など重厚で無骨な素材のディティールを残しつつ、あくまでそれら物質の持つ記号的意味とは反対に軽やかで親密、また遊戯的な作品を制作します。2020 年に現代芸術振興財団主催のCAF賞で名和晃平審査員賞を受賞するなど今後の活躍が期待されます。
本展のタイトルは地球外生命とのコンタクトを音や色彩、光でとろうと試みる、または彼らの未知の言語を解読する2つの作品から引用されています。その2つからなる遺跡と題された本展は、過去未来の物語のレイヤーを1 枚の絵の中に圧縮し、読み取れない中で想像することを促す水上の作品と、素材と戯れて意味に回収されるよりも物質の異なる側面を発露させる神農の作品とを掛け合わせることを企図しています。属性や時間を超えた未知の他者と関わり合いながらもそれらのイメージを硬直化させず接続する二人の作家は作者と作品、 または鑑賞者との間にその物体から発生される流動的な想像性を担保させているともいえますが、本展ではそれぞれの作家の作り出す堅牢な物質から顕れる軽やかなイメージが空間をさまざまな次元で自由に行き交います。
意味のある偶然の一致、シンクロニシティを示したユングの言う普遍的無意識が、果たしてどの次元まで接続可能なのか、という問いであるともいえるでしょう。鑑賞者の共時的感覚 や物質的想像力を呼び起こすように展開される本展は、ここだけでないどこかに接続する交点であるかもしれません。
近作では宇宙へのコズミックコールを題材にした作品も制作している水上は、本展において天文学者の藤田智弘氏と共同制作する新作を発表、また神農も新たな試みとして音を用いた新作インスタレーションを展示予定です。どうぞご期待ください。
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ヘプタポッド(Heptapod)とはアメリカのSF 作家テッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』に登場する異星人の呼称。
ソルレソル(Solresol) は、19世紀初めに創られた人工言語で音楽語とも呼ばれ、スティーブン・スピルバーグの映画『未知との遭遇』で有名な音階で宇宙船と人類とが交信をする場面はこれを元に作曲されている。
- 1992
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東京都生まれ
- 2017
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多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
個展
- 2022
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Catharsis Bed” by 4649 (CADAN 有楽町/ 東京)
“so it goes” (4649/ 東京) - 2021
-
“Dear sentiment” ( トーキョーアーツアンドスペース本郷/ 東京)
- 2020
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“Paintings for stranger” ( トーキョーアーツアンドスペース本郷/ 東京)
- 2016
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“底流/Large eddy” ( ワンダーサイト渋谷/ 東京)
- 2015
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“トーキョーワンダーウォール都庁2015 | 水上愛美” ( 東京都庁第一本庁舎3 階南側空中歩廊/ 東京)
グループ展
- 2022
-
“VOCA 展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─” ( 上野の森美術館/ 東京)
“COPE” (no.gallery/ ニューヨーク) - 2021
-
“憑依する作法” ( 小金井アートスポット シャトー2F/ 東京)
“エマージング・アーティスト展 Part1” ( 銀座 蔦屋書店/ 東京)
“dawn” ( 東急プラザ渋谷/ 東京) - 2020
-
“4649 at Pina” (Pina/ ウィーン)
LOOP HOLE 15 周年記念展“チッチャイーノ展” (LOOP HOLE/ 東京) - 2019
-
“CCIFTOFF COLLECTION vol.1” ( アートバーグビル 全フロア/ 東京 )
“RED IRON RANZAN STUDIO SHOW” (RANZANSTUDIO/ 埼玉)
“island” ( アートラボはしもと/ 神奈川)
“Super Open Studio 2019” (RED IRON STUDIO/ 神奈川)
“Semi, セミ” (MUSEUM OF TETSUO'S GARAGE/ 栃木)
“Feelings for a spider” (4649/ 東京)
中村史子 キュレーション “野分、崇高、相模原” ( アートラボはしもと/ 神奈川) - 2018
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“What the f*** is happening in this Riv. 1 ( 行く川の流れは絶えずして、しかしもとの水にあらず)” ( アキバタマビ21/ 東京)
“Super Open Studio 2018” (RED IRON STUDIO/ 神奈川) - 2017
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“always good, always funny, always heavy, always casual” (LOOPHOLE/ 東京)
- 2015
-
“table cross” ( ターナーギャラリー/ 東京)
アートフェア
- 2019
-
“NADA MIAMI” (4649 より出展)
- 1994
-
三重県生まれ
- 2015
-
名古屋学芸大学 メディア造形学部 ファッション造形学科 中途退学
- 2018
-
名古屋造形大学 造形学部 美術専攻 コンテンポラリーアートコース 卒業
- 2020
-
武蔵野美術大学院 造形研究科 修士課程 美術専攻 彫刻コース 修了
個展
- 2020
-
“untitled” (gallery DEN5/ 東京)
- 2019
-
“a fresh pleasant, feeling” ( 東京造形大学 オルタナティブスペースmime/ 東京)
グループ展
- 2021
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“RISING STARS 展” ( 銀座蔦屋書店/ 東京)
“The Practice of Alchemy” (TOKYO INTERNATIONAL ALCHEMY/ 東京)
“ストレンジャーによろしく” ( 金沢市各所/ 石川)
“ART@DAIMARU(BEAMS×mui Lab)” ( 大丸京都店/ 京都) - 2020
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“CAF 賞2020” ( 代官山ヒルサイドテラス/ 東京)
“ShiftOperation Tokyo workflow” (CAVE AYUMI GALLERY/ 東京)
“令和元年度 第43 回 東京五美術大学連合卒業・修了制作”( 国立新美術館/ 東京)
“令和元年度 武蔵野美術大学卒業・修了制作展” ( 武蔵野美術大学 美術館/ 東京) - 2019
-
“4649 at Pina” (Pina/ ウィーン)
LOOP HOLE 15 周年記念展“チッチャイーノ展” (LOOP HOLE/ 東京) - 2019
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“ゆくりか” (See Saw gallery+hibit/ 愛知)
“カンガルーが走れば” ( 府中市美術館 市民ギャラリー/ 東京)
“群馬青年ビエンナーレ2019” ( 群馬県立近代美術館/ 群馬) - 2018
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“名古屋造形大学卒展” ( 名古屋造形大学/ 愛知)
- 2017
-
“みのかも annual 2017 On location” ( 美濃加茂 文化の森/ 岐阜)
受賞
- 2020
-
“CAF 賞2020 ” 名和晃平 審査員賞
- 2019
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“群馬青年ビエンナーレ2019” 入賞
- 2018
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“名古屋造形大学 卒展” 桃美会賞
作家 | 水上愛美、神農理恵 |
展示タイトル | Heptapod Solresol Ruins ( ヘプタポッド・ソルレソル・ルーインズ) |
会期 | 2022 年3 月5 日(土)~3 月27 日(日) |
会場 | VOU/ 棒 1F ギャラリー |
営業時間 | 13:00 ~ 19:00 |
定休日 | 水・木曜日 |
住所 | 京都府京都市下京区筋屋町 137 (google map) |
アクセス | 阪急河原町・烏丸駅 連絡通路12番出口から徒歩5分 |
入場料 | ¥500(学生証提示で¥300) |
水上愛美作品 共同制作 | 藤田智弘(天文学者) |
神農理恵作品 楽曲提供 | Stellareyes |
広報デザイン | 明津設計 |
企画 | 見目はる香 |
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heptapodsolresolruins@gmail.com ( ヘプタポッド・ソルレソル・ルーインズ展 広報担当)