『幽かなスリル』出版記念展
木下理子「顕れる日」
2025年3月14日(金)・15日(土)・16日(日)・17日(月)
12:00-19:00 予約制 [予約フォーム]
会場: もりやまていあいとう<森山邸>(東京都大田区)
東急池上線・蓮沼駅から徒歩7分/JR蒲田駅から徒歩15分
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この度、森山邸で2024年2月に開催された木下理子の個展の記録書籍『幽かなスリル』刊行を記念して、もりやまていあいとうで木下理子「顕れる日」を開催いたします。
身近な素材を扱いながら環境にあわせて作品を制作、配置し、それらをある時間や空間の中に展開させることで、その物理的な状況や現象の変化をも包摂しながら、作家が、あるいは鑑賞者が世界を知覚する装置として作品を発表してきた木下理子。
2024年2月の9日間に、東京・蒲田にある「森山邸」で作家の個展「幽かなスリル」が開催されました。
広い開口部から燦々と外光が差し、また夜は室内から光が溢れる、それぞれの小宇宙を抱えるような十棟のホワイトキューブ。
建築家・西沢立衛の代表作の一つとして知られるこの場所を作家は訪れ、そしてその場所で生活を営む森山さんとの交流から展覧会は実現しました。
人の気配を感じながらもひっそりとした隠れ家のように住まうこともできる、そのような集合住宅の中で限りなく多くの時間を過ごす森山さんの暮らし。
大量のレコードや蔵書に囲まれ、詩や芸術を愛でつつ、小さな古道具やエフェメラ、オブジェを、誰に見せるわけでもなく楽しみながら日々配置換えし、それでいて生活感を感じさせず、この世界ではないところに隣接しているかのような美しい浮遊感のあるこの空間が蓄えてきた時間。
そのような時間や森山さんに触発されて、あるいはそれらと呼応して交わることで生まれた展覧会だとも言えるでしょう。
『幽かなスリル』という小さな本は展示の記録集であると同時に、森山邸の気配、その日を永遠に留めて繰り返し顕れるように、密やかな時間をその中に隠しています。
刊行を記念する本展「顕れる日」では、作家による新作のインスタレーションが発表されます。
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[ 同日開催 ]「oar press / 明津設計」
oar pressのウェブサイト上で、2024年の1年間に明津設計が連載制作をしたポスターを展示いたします。
*明津設計は『幽かなスリル』の書籍設計も担当しています。
>展覧会ページ
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※ご来場予定の方は予約フォームよりお申し込み、またはinfo@oarpress.comまでご連絡ください。お申し込み確認後、追って確定日時・時間帯、会場の住所をメールにてお知らせいたします。(住宅のため、住所は非公開となっております。)
時間帯によってはお時間のご相談を差し上げる可能性もございます。
また、建物の見学会ではございませんので、敷地内指定場所以外の立ち入りはご遠慮いただきますようお願いいたします。
※もりやまていあいとうのインスタグラムからはご予約はできません。
木下理子
美術作家。水彩やサイアノタイプ(日光写真)などの技法を用いたドローイング、身近な素材を使った立体、あるいはインスタレーションのような空間的手法を用いて作品を制作する。暮らしのなかで見落とされるささやかな事柄を感知するための手がかりとして、環境や世界を知覚する装置としての作品群を展開している。
撮影:高野ユリカ
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木下理子『幽かなスリル』
2025年3月14日刊行予定(発行:oar press)
14.8×8.9cm/丸背手帳製本/日英バイリンガル/本文140頁
ブックデザイン:明津設計
森山さんのおうちは、可愛くて明るくて、健康的なのに、
どこか儚くてどうしようもなく切ない気持ちにさせられる。
2024年2月に森山邸で開催された展覧会「幽かなスリル」の記録集。
写真:高野ユリカ
文:田野倉康一、木下理子
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企画・主催:oar press
会場提供・協力:もりやまていあいとう、森山安男
https://moriyamatei-aitou.com/
©︎Yurika Kono, Riko Kinoshita